2010年11月19日金曜日

読書録 - 大西郷遺訓

最近は通勤電車に乗らないので、本を読む時間がなくて読もうと思って買った本がたまる一方。そんな中から一冊を紹介します。
この『大西郷遺訓』は、国学を少し勉強しようと思って物色しているときにたまたま見つけた本です。
あまり歴史の授業が面白く思えずに、学生時代にしっかり勉強しなかったこともあって、歴史に関しての知識はあまりありません。私が紹介する本はそんな人でも読みやすいはずです。

この本は西郷さんが言ったとされる言葉を、政治や人材といったテーマごとに、原文に意訳と解釈を付けて一つ一つ味わおうという趣旨のようです。


「政の大体は文を興し、武を振い、農を励ますの三つに在り。その他百般の事務は、皆この三つのものを助けるの具なり。この三つのものの中において、時に従い勢いに因り、施行先後の順序はあれど、この三つのものを後にして他を先にする更になし。」

これは、大事なのは教育、軍事、農業で、それ以外はこれらを助けるものだ、というわかりやすい例です。

日本の教育が衰退しているという声はよく聞きます。お隣の韓国などは留学して学位を取らないと見識があるとは認められないなどという熾烈な教育競争をしているようです。
軍事に関しては、日本は交戦権が否定されてしまっている憲法下で、立派な装備を持った自衛隊を持つといういびつな形です。
違憲なのに違憲ではないなどと言い加減な解釈をしたり。
農業は食糧自給率の問題と言い換えてもいいかもしれませんが、これも日本はお世辞にもいい状況とは言えません。
エネルギー自給率も低いので、燃料を使って生産される農産物の自給率は相当低いでしょう。

西郷さんの言葉は今を生きる私たちへの忠告とも言えるかもしれません。

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