2010年12月31日金曜日

十万フランの贈り物 - 日本の文化・伝統・歴史防衛講座

日本の文化・伝統・歴史防衛講座

十万フランの贈り物

今から87年前の大正12年9月1日のことです。
マグニチュード7.9の大地震が南関東一帯を襲いました。
死者行方不明者は十万人以上となる大惨事となりました。
このニュースは世界各国に流れ、各国は日本への支援に動き出します。
経済大国であるアメリカ、イギリスから莫大な援助金が送られてきましたが、
日本中を一番驚かせたのは地震発生からわずか11日後にベルギーが
10万フランもの大金を贈ってくれたことです。
最終的には264万フラン(約35万円)となり、現在の価値にすると
7億円相当で、大国アメリカ、イギリスに次ぐ金額でした。
ベルギーは国土が日本の1/10という小さな国です。しかも、
このときはヨーロッパで大きな戦争があった後でベルギーは大変傷ついていました。
どうしてベルギーは過大なまでに日本を助けたのでしょうか。

このわけはもう少し昔の明治時代にさかのぼります。
ベルギーからダネタンという大使が日本にやってきました。
明治時代に日本は清国、ロシアと戦争をしています。
このとき、各国の報道で「日本軍は残虐なことをしました」「日本国内で
外国人が迫害されている」という間違った報道が行われました。
これをダネタン大使が報道の誤りを是正し、真実を伝えてくれたのです。
大正3年にヨーロッパで大きな戦争が起こり、ベルギーは戦争に巻き込まれ、
ドイツに占領されてしまいました。
国王のアルベール1世は亡命し、多くの国民は難民生活をさせられました。
日本国民はベルギーに同情し、義捐金を集め送り届けます。
新聞社は日本の心を伝えようとアルベール1世に備前長船という織田信長が所持していた
とされる日本刀を献上しました。
戦争が終った後、日本の皇太子殿下(後の昭和天皇)はヨーロッパ歴訪の際、
ベルギー訪問を強くご希望され実現します。
皇太子殿下の訪問が弔問の意味があることを知ったベルギー国民は殿下を熱烈歓迎しました。

関東大震災のベルギーの贈り物はこうした背景があったのです。
そして、平成7年の阪神大震災のときもベルギーは日本を支援してくれています。
それからベルギーの王室と日本の皇室とは深い親交が続いており、平成5年、
ベルギー国王の葬儀に両陛下で出席されましたが、これは歴代天皇で外国王室の葬儀に
出席した初めての例となっています。

(月刊「みんなのうけひのもり」より)



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