2011年4月26日火曜日

転載:国民主権病(GHQ憲法病)

畏れを知らない傲慢不遜な国民主権。


昭和21年(1946年)2月26日、定例閣議上で、憲法改正のマッカーサー草案の外務省訳が配られました。そして幣原首相が読み始め、読み終わると、どよめきが起こりました。「このままでは大変なことになる」というのが閣僚の共通した感想でした。しかしながら、マッカーサー案は天皇を戦犯としない、というような恫喝のもとにあったので、マッカーサー草案を土台にして日本案を作るしかありませんでした。3月2日、松本案が出来ると民政局に持っていき英訳が始まります。

第一条 天皇ハ日本国民至高ノ総意ニ基キ日本国ノ象徴及日本国民統合ノ標章タル地位ヲ保有ス。
第二条 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ世襲シテ之ヲ継承ス。

この英訳を読んだGHQ民政局のケーディス大佐は「どういうつもりだ!」と怒鳴り、松本博士を呼んできて大喧嘩となりました。

マッカーサー案の和訳
第一条 皇帝ハ国家ノ象徴ニシテ又人民ノ統一ノ象徴タルヘシ彼ハ其ノ地位ヲ人民ノ主権意思ヨリ承ケ之ヲ他ノ如何ナル源泉ヨリモ承ケス
第二条 皇位ノ継承ハ世襲ニシテ国会ノ制定スル皇室典範ニ依ルヘシ


一条は「之ヲ他ノ如何ナル源泉ヨリモ承ケス」を削り、二条は「国会ノ制定スル」を削っています。また、松本案は「主権」という言葉を使っていません。さすが松本博士はよく知っていたのでしょう。

弁護士の南出喜久治氏によると主権論というのは人でなしで傲慢不遜な思想であり、主権は神(主)の権利のことで、国民主権は人間が神の地位に就く傲慢な思想に基づいていると述べています。私が子供の頃、日本で誰が一番偉いか?という冊子を読まされたことがあります。総理大臣?天皇陛下?国民主権だから国民が一番偉い、という内容でした。子供の頃から畏れを知らない傲慢不遜な個人主義者に育つように教育されてきていたわけです。

こうした国民主権という傲慢不遜な思想を叩き込まれてきたことを象徴する出来事が、「一ヶ月ルール」の事件です。一昨年に中共の習近平氏が訪日して天皇陛下に拝謁しましたが、陛下のご健康を考えて会見、引見は1ヶ月前に申し出ることになっていおり、小沢一郎民主党幹事長(当時)はこれを破りました。鳩山由紀夫首相(当時)も「お会いいただく」という命令調で語っていました。われこそは主権者様に選ばれた政治家であって天皇陛下は自分の意のままに動く、とでもいうような傲慢不遜な態度です。また、昨年、議会開設百二十年記念式典で中井洽議員が秋篠宮両殿下に「早く座れよ」と言った事件もこの「国民主権」を刷り込まれてきた結果でしょう。国民は「国民主権病」という傲慢不遜症状のでる重病にかかっているのです。

日本は君民一体のお国柄であり、欧米のような主権による支配という考え方は不要でしょう。天皇の支配は「シラス」であり、民衆の心を知って、民衆のために公平に国土を治めるということで、欧米のように民衆や領地を私物にして支配(ウシハク)してきたのとは全く異なります。また日本は権威と権力は古来より分離されており、権威により権力者の暴走を抑制する伝統があります。日本のお国柄に全く合わない国民主権などうたっているGHQ憲法という憲法の名をかたった占領政策基本法など破棄して本来の日本を取り戻すべきでしょう。



参考文献
講談社文庫「白洲次郎 占領を背負った男」北康利(著)
総和社「日本は憲法で滅ぶ」渡部昇一(監修)
WiLL2010.3「本家ゴーマニズム宣言」小林よしのり
参考サイト
国立国会図書館
3-20 日本国憲法「3月2日案」の起草と提出 http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/03/086shoshi.html
3-15 GHQ草案 1946年2月13日 http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/03/088/088tx.html
二階堂ドットコム 売国・中井洽、衆院委員長のくせに秋篠宮殿下にヤジ飛ばす!!!http://www.nikaidou.com/archives/8171


JJ太郎さんのブログ『かつて日本は美しかった』より


なおマッカーサー憲法草案の全文は「資料室 - 日本国憲法」にありますのでご覧ください。

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