2011年6月27日月曜日

酒造りは命がけ?

酒蔵は農家から米を一括で購入して一年をかけて酒を造ります。
昔は腐らせてしまうと蔵の責任者である杜氏は自らの命を絶つこともあったそうで、命がけの職業だったわけです。

『日本の暦』の中の人たちは、古典的な農法であったりパーマカルチャーであったり、様々な方法で農業や菜園をしています。
やってみないとわからないことが多いので、まずはやってみようというメンバーが増えています。

コンポストを作って、調理をしたときに余った野菜を発酵させて分解する、乳酸菌を培養してそれでヨーグルトを造ったり、消臭に使ったりしています。
乳酸菌は米糠や玄米のとぎ汁で造りますから、捨てるものが減って有用なものが増える。そんな感覚です。

コンポストに乳酸菌を少し吹きかけると、翌日にはもの凄い勢いで発酵しているのがわかります。
熱いお風呂よりも熱くなることもあります。
バクテリアが頑張ってくれてるんだなぁとニンマリしてしまいます。

発酵、腐敗、熟成という言葉がありますが、どれもバクテリアの働きが引き起こす科学的な作用です。
発酵は、酵母菌や乳酸菌などが、糖分を分解して有機酸や炭酸ガスを生じる作用です。
腐敗は、主に有機物、特にタンパク質がバクテリアによって分解され有毒な物質と悪臭を生じる作用です。
熟成は、様々な温度、湿度、時間、空間等により仕込んだものがさらに旨味を増し使える状態になることです。

この3つは似ていますが、人間にとっては違うものです。
豆腐を「腐った食べ物」とは言いませんね。

人間の体には細胞の数の10倍ほどのバクテリアがいるといいます。
人間の体の中や体の表面でも、発酵や腐敗は行われています。
草食動物が草を食べてエネルギーを得ているのもバクテリアのおかげです。
人間であっても、例えば乳酸菌を培養するときに使う玄米などを、よく噛んで食べるとバクテリアが活躍してくれます。
家庭菜園で使う土の中でも、バクテリアによる発酵の有無で、作物が生育が左右されます。
日が昇るころの時間に草むらを歩き回ると、元気に活動しているバクテリアが体中に付着します。
少し元気が出るような気がしますよ。機会があったら試してみてください。

最近では、殺菌や消毒に神経質な人が増えたように思います。
私たちの生命維持を助けてくれている有用なバクテリアも一緒に殺菌しないようにしたいものです。

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