2011年8月3日水曜日

お盆のおもてなし

毎日蒸し暑い日が続いています。
気がつけばもう8月です。8月8日は立秋で、暦の上ではもう秋になってしまうのですが、立秋を過ぎればすぐにお盆がやってきます。


お盆は盂蘭盆会(うらぼんえ)の略語で、サンスクリット語のウラバンナ(逆さ吊り)を漢字で音写したものだそうです。「逆さまに釣り下げられるような苦しみにあっている人を救う法要」という意味なんだそうです。お盆は、先祖や亡くなった人たちの霊が灯かりを頼りに帰ってくるといわれていて、祖先の魂を迎えることを目的としています。
 
わが国では、そのような仏教の行事的意味合いだけでなく、ご先祖様が命を繋げて下さったことで今の自分があるという感謝の気持ちを表す先祖祭祀の意味も併せ持っていると思います。仏教伝来以前から、祖先の霊を迎える儀式が存在しました。推古天皇(606年)の時代に行われた仏事の様式が現在のお盆の原型になったと考えられています。
 
お盆の儀式としては、迎え火をたき先祖の霊を迎え入れ、僧侶の読経で供養し、送り火で帰って頂くというような流れになっています。また地方色も豊かなようです。


お盆供養



必ずしもそのようなことをしなくても、お盆は亡くなった方やご先祖様の霊が帰って来るから、みんなでお迎えしておもてなしをする期間ですから、そのような気持ちを何かの形であらわしてみてはどうかな、と思います。
 
近頃はいろいろな職業や勤務形態があるので、お盆休みが取れなかったり、帰省が出来なくてお墓参りにも行けないという方もいらっしゃると思います。
 
そんなときは、部屋の中に盆棚に見立てたコーナーを作ってみてはどうでしょうか。
故人やご先祖様をお客様としておもてなしするための飾りです。その盆棚には桔梗や萩、ホオズキなどを飾ってお線香をたきます。キュウリやナスで作った馬や牛を飾ります。お花や故人の好きだった食べ物などを置きます。盆棚の下には供養してくれる家族のいない霊の為のお供えを置きます。
馬や牛は、ご先祖様の霊が訪ねてくるときの乗り物だそうです。キュウリの馬は、馬に乗って少しでも早く帰ってきて下さいという意味で、ナスの牛は、少しでもゆっくりとお帰り下さいという意味だそうです。ホオズキは迷わない為の灯りです。

盆棚

キュウリやナス、ホオズキにはこういった細やかな心遣いが込められているんですね。そうやって今生きている人間が亡くなった方を思い、今自分の生きているこの空間に、亡くなった方をお客様として迎え入れる、そして皆でご先祖様の思い出話をしたりと感謝を伝える気持ちがいちばん大切なように感じました。
 
 
 




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